最終更新日:2024/10/25
便秘や下痢、お腹の張り、ダイエットなどで多くの方は、腸内環境を整えようと腸活に励んでいると思います。
腸活の方法として一般的なのは「食事」によるものです。腸内環境を良くする食事の情報は溢れていますが、間違った情報を鵜吞みにしていると、お腹の不調は改善されません。
ここでは「腸活とはどんなものか?」、そして一般的に知られている「間違いだらけの腸活」と、ではどうすればいいかを知る「健康のための腸活」についてお伝えします。
腸活とは、小腸や大腸の腸内環境を食事はもちろん様々な方法で整えて、お通じを良くすることです。
腸内環境を良くする目的は、食事から摂った栄養をちゃんと吸収し、不要なものを便として排泄して、元気な身体をつくり、免疫力を強くそして正常に保つことです。
腸内環境が悪ければ、便秘や下痢などお腹の不調だけでなく、メンタル面、お肌、免疫力、病気や様々な身体の不調に影響を与えます。
腸にいいからとヨーグルトやバナナ・サプリメントなど、手軽に身体に入れることを考えるよりも、よく噛んで唾液を出して食べる、主食をちゃんと食べる、睡眠をしっかり取るなど、消化吸収や出すことを考えて生活することが大切です。
腸活は、消化・吸収・排泄がスムーズに行われること、免疫力を正常に保つことが最大の目的です。
善玉菌・悪玉菌・日和見菌の腸内細菌がどんなに身体に大切だからといって、大腸以外の小腸や胃に多くいるのは問題があります。
折角、腸活のつもりでも、小腸や胃に菌が増えてしまうことで、かえって便秘や下痢を慢性化したり悪化させたりします。
腸活に対する間違った考えを見直していきましょう。
間違いだらけの腸活とは
消化・吸収・排泄を考えれば、胃・小腸・大腸をトータルで整える必要があります。
胃が悪いのに、大腸だけ良くなることはありません。
「胃・結腸反射」といって、胃に飲食物が入ると大腸がぜん動運動をはじめて便を直腸に運びます。
そのため、胃弱で食欲がなかったり、ダイエットで食事を控えていると、大腸が動かなくなり便通が悪くなります。
胃・結腸反射があっても、小腸や大腸が炎症で痛んでいたり腸内ガスでパンパンに張っていると、大腸は動きにくくなってしまいます。
腸活と言っても、大腸にいいものを入れるより胃と小腸で消化され、小腸でちゃんと吸収できる食べ物、小腸と大腸で炎症や腸内ガスを発生させない食べ物が大切です。
世の中で流行っている腸にいい食事はウソだらけです。皆さんはこんな間違った腸活を鵜呑みにしていませんか?
- 食物繊維をたくさん摂れば便通が良くなる
- ヨーグルトやバナナは腸活にいい
- 白米よりも玄米の方が栄養があって健康にいい
- ごはんよりも豆腐、牛乳よりも豆乳が胃腸にやさしい
- お腹が空いても腸活のためにしっかり空腹時間をつくる
このような事を信じていても、胃腸だけでなく身体は元気にはなりません。
これらの食事は確かにミネラルやビタミンなどの栄養素が豊富だったり、空腹時間をしっかり取っていれば胃腸を休めることができます。
しかし、これらの食事により胃腸の粘膜が壊され炎症が起き(リーキーガット)、腸内ガスが発生してお腹が膨満することで、便通だけでなく様々な不定愁訴や病気を引き起こします。
具体的にどんな腸活が間違っているのか
基本的に食物繊維は胃腸で消化されないことを頭に入れておくことが大切です。
便のかさを増して便通を良くしようとしたり、腸内細菌のエサになるものを食べて腸内環境を整えようとする考えが本当に正しいのか、今一度見直す必要があります。
食物繊維をたくさん摂れば便のかさは増しますが、腸管を詰まらせてかえって便通が悪くなる可能性があります。
また、腸内細菌のエサになるものを食べると腸内細菌にはいいですが、ガスが大量に発生したり、大腸にいるはずの腸内細菌が小腸や胃に異常増殖してしまう可能性があります。
そうなると、消化管は傷つき慢性炎症を起こしてしまいます。慢性炎症があっても急性炎症とは違うくすぶり型の炎症なので、痛みなどはあまりなく気づきにくいのです。
一般的に腸活にいいと謳っている食べ物ほど、このような慢性炎症を引き起こしています。
食物繊維は、一日の食事の1割摂れば充分なのです。
- 食物繊維をたくさん摂っても便通は良くならない
- ヨーグルトやバナナは胃腸を弱らせて下痢として便を出す
- 白米よりも玄米の方がレクチン(植物毒)があり腸を傷つける
- 豆腐や豆乳を中心とした食生活は消化吸収が悪く元気がでない
- 一日一食やダイエットを続けていると胃腸が弱くなる
腸活のためには、胃腸を傷つけない、ガスでお腹をパンパンにさせない、過度に食事に頼り過ぎないことが大切です。
食物繊維をたくさん摂っても便通はよくならない
野菜などの食物繊維は消化されないので、便のかさを増します。
少量であれば便通の助けになりますが、たくさん摂っていると慢性的な便秘になります。
消化されないと腸内細菌が分解してガスを発生させます。これを「発酵」といいます。
ガスがたくさん発生すると、腸がパンパンに膨満してしまいます。
また、消化されない食物繊維を少しでも薄めようと「腸液」がたくさん出て、腸がむくんでしまい「ぽっこりお腹」の原因になります。
腸が膨満すると、便が出にくくなったり、足腰の血流が悪くなったり、お腹が張って不調を感じるようになります。
「野菜を食べると腸がきれいになる」と多くの人が信じていますが、間違った腸活なのです。
人によっては、野菜を食べないと便が出ないと訴える方もいますが、長期的にみて、食物繊維に頼り過ぎないで便通を良くした方がいいのです。
野菜をたくさん食べているのにお腹の調子が悪い人は、このような腸活を見直す必要があります。
ヨーグルトやバナナは胃腸を弱らせて下痢として便を出す
朝食やダイエットのためにヨーグルトやバナナを食べている人は多いです。
腸内環境を整えてお通じを良くしようとしています。
実際にヨーグルトやバナナで便通はいいのに、お腹の調子が良くない人がいるのは何故でしょうか?
それは、胃腸が弱って下痢という形で便通が良くなっているだけだからです。
ヨーグルトをはじめ牛乳・チーズ・アイスクリームなどの乳製品には「乳糖」が含まれています。
日本人の大半は乳糖を消化するための消化酵素を持たない「乳糖不耐症」なので、消化されないまま大腸に達して乳酸菌のエサになります。
乳酸菌のエサになるからいいのではと考えがちですが、腸内で異常発酵が生じて、ガスが過剰に発生します。ガスによって腸が動かなくなると便秘になり、乳酸菌が増えて酸性過多「乳酸アシドーシス」になると逆に腸が過剰に動き過ぎて下痢になります。
ヨーグルトで便通がいい人は、乳糖不耐症でなければ、下痢として便を出しているだけなのです。
便通はいいのに、腹痛やお腹がガスで張っていれば、腸内環境がいいわけではないのです。
バナナは果物の中で最も「果糖」が多く、手軽に食べることができ、おいしいのでつい何本も食べ過ぎてしまいます。
果物は陰性食品でお腹を冷やし、果糖はブドウ糖と違ってエネルギー源にならず中性脂肪になります。
便通が良くなっているのは、これも胃腸を弱らせて軟便として便を出しているだけです。
本来は、腸を弱らせて便通を良くするのではなく、腸が元気で正常なぜん動運動により便通を良くすることが大切です。
白米よりも玄米の方がレクチン(植物毒)があり腸を傷つける
玄米はビタミンやミネラル・食物繊維が多く摂れると人気ですが、玄米の胚芽には「レクチン」といわれる植物毒が含まれています。
このレクチンを大量に摂ると、腸活どころか「リーキーガット」といって腸壁が傷つき、体内に未消化な栄養素が侵入して免疫による慢性炎症を起こしたり、様々な細胞に付き自己免疫疾患を引き起こします。
白米は、玄米よりもビタミンやミネラル・食物繊維は減りますが、玄米に含まれるレクチンを取り除いて、腸壁を傷つけないで消化吸収をよくするための先人の知恵なのです。
玄米を食べると便通が良くなる人もいますが、実は、レクチンの他、「サポニン」「過酸化脂質」によって大腸に炎症が起きて、下痢しているからです。玄米を食べ続けると、いずれ便秘になってしまいます。
レクチンが多く含まれているのは、食物の胚芽や外側であって、中身の部分には少ないです。したがって、雑穀も同様にレクチンが多く含まれています。
腸活の為には、レクチンを含まない食事を心がけたり、レクチンを取り除くことを考えることが大切です。
豆腐や豆乳を中心とした食生活は消化吸収が悪く元気がでない
糖質制限としてごはんの代わりに「豆腐」を食べたり、牛乳の代わりに「豆乳」を飲んで、何の疑いもなくヘルシーな食生活だと思っている人は多いです。
豆腐をはじめとする「大豆」などの豆類は、いろんな食品に含まれているため、毎日気軽に食べています。
実は豆は、レクチンを最も多く含む食品です。
大豆にはレクチンの他にも、「ゴイトリン」「サポニン」といった腸を傷める成分や、炎症を悪化させる「リノール酸」、タンパク質の消化を妨げる「トリプシン・インヒビター」、腸内ガスを増やす「不溶性の食物繊維」で腸の働きを悪くします。
ただし、味噌・しょう油・納豆は、発酵によってレクチンを無くしているので問題ありません。
腸活で一番最初に行うのは、味噌・しょうゆ・納豆以外の豆類を減らすことです。
ナッツ類もレクチンを多く含んでいるため、気軽に食べていると腸を傷つけます。さらにナッツ類の脂質はS状結腸に溜まりやすく、便秘の原因になります。
ナッツ類も合わせて減らしていきましょう。
一日一食やダイエットを続けていると胃腸が弱くなる
ダイエットや肥満の改善のために、一日一食や16時間食事を空けるなど食事制限している人は多いです。
確かに食事制限で胃腸を休めることで、体重は減り見た目に痩せたりしていきます。
しかしこれは栄養不足により、脂肪よりも筋肉が痩せてしまう可能性があります。
短期間であれば胃腸のリセットになりますが、長期間行うのは危険です。お腹が空いているのに食べないのは無理があり続きません。リバウンドしたり、以前よりも食べると太りやすくなります。
また「胆のう」のように食事をちゃんとして「胆汁」を出さないといけない臓器もあります。
ダイエットは成功したのに、胆石ができたり、胆のう炎で手術することになったら、元も子もありません。
食事により胆汁がちゃんと出ることで、脂質を乳化して膵液での消化を助けたり、便通の潤滑剤になっています。
つまり、食事制限することで胆汁が不足し、脂質が消化できなかったり、便通が悪くなり、腸活の妨げになるのです。
腸活とは、食べて胃腸を働かせながら、不要なものをしっかり出せる力をつけることです。
出すことを中心に考えることは基本ですが、消化しやすい食事を3食しっかり摂っても大丈夫なのです。
一日一食や16時間空けた食事は、お腹が空き過ぎない範囲で定期的に行い、普段は3食摂りながら胆汁をしっかり出して腸活をすすめた方がいいのです。
健康のための腸活
食事に関しては、今までお伝えしてきた「間違いだらけの腸活」を見直すことが第一歩です。
食事以外にも自分で出来ることもあれば、当院がサポート出来ることもあります。
では一体、健康のための腸活にはどんなものがあるか?具体的にお伝えします。
食事について
食事のポイントは4つあります。
- リーキーガット(腸壁を傷つける)を引き起こすレクチン(植物毒)を含む食事を控える
- 腸内ガスによりお腹を膨満させる食事を控える
- 胃腸を弱らせないように食事制限はあまり行わない
- 良く噛んで唾液で消化しながら味わって咀嚼する
当院では、体質改善教室とダイエット教室とし、健康のための腸活に適した食事指導を行っています。
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日常生活の所作や姿勢・運動について
身体にゆがみがあると重心や体幹のバランスが悪くなり、自然体や脱力姿勢が取れず緊張姿勢のため、結果的に内臓の働きも悪くなります。
立っている時、座っている時、寝ている時など、身体がゆがんでいる人は、同じ姿勢を続けていればいるほど、身体がつらくなります。
腸活のためには、できるだけ脱力姿勢により内臓が働きやすい状態をつくってあげることが大切です。
そのために自分で出来ることは、胸を張った見た目にいい姿勢よりも、足・骨盤・背骨など骨で身体を支え、筋力に頼らない脱力姿勢を心がけることです。
身体のゆがみが強い場合には、自分で整えることが難しいので、施術により整えた方が早いです。
また、日常動作や運動・スポーツにおいても、身体のゆがみがあると力みが先行して、内臓の働きが悪くなります。
本来、身体を動かす時は、少なからずお腹から動かすものです。
日常的にお腹を動かすことがないと、食事による腸活をしていても、内臓の働きは良くなりません。
普段からお腹から全身を使った動作を心がけると、腸が活発に働くようになります。深呼吸でお腹を膨らませたり・凹ませたり、その場でお腹をゆすって揺らしたりお腹を動かす刺激を与えるのも有効です。
歩いている時にお腹が全く動いていない人は、注意が必要です。お腹だけの問題ではなく、身体のバランスが悪いために全身が連動して動かず、手足をちゃんと振って歩いていないのです。
この場合も、自分で整えることが難しいので、施術により整えた方が早いです。
当院では、施術により身体のゆがみを整える以外にも、姿勢教室と運動教室とし、健康のための腸活に適したセルフ指導を行っています。
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腸もみ・内臓調整について
ご自身でもお腹の張りや硬さをチェックする習慣をつけてください。
健康なお腹は柔らかく、押しても痛みなどありません。
お腹がパンパンに張っているのは、多くの場合「腸内ガス」と「過剰な水分」です。
腸内ガスと過剰な水分は、うまくリンパ管に運べれば、呼吸や尿として排出することができます。
ご自身で腸もみを行う場合には、優しく「へそ」に向かって流してあげます。
当院では、マグネシウムとココナッツオイルによる「お腹のオイルマッサージ」で、効率的に腸もみを行います。
腸内ガスと過剰な水分が減ると、お腹が柔らかくなると共に血行が良くなり、胃腸が働きやすくなります。
次に、お腹が柔らかくなったところで、より深い荒れたお腹の修復を行うために、温かい手でお腹を優しくさすったり、のの字で腸の動きを良くしていきます。
当院では、「腹部八反応点」と「延命学療法」により、1つ1つ丁寧に内臓調整を行っていきます。
リーキーガットになった腸壁や腸内環境の根本的な修復には、3か月~1年を考えた長期的な食生活による体質改善が必要ですが、内臓調整により腸だけでなく各内臓の神経や筋膜を並行して整えることで、相乗効果として回復が早まります。
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睡眠について
ご自身で出来る最大の腸活が「睡眠」です。
腸は食後の蠕動運動(ぜんどううんどう)だけでなく、腸管をお掃除するための蠕動運動を行います。
この蠕動運動を最も行うのが「睡眠中」で、睡眠時間が多ければ多いほどしっかり腸管をお掃除して、便を直腸まで運んでくれます。
そして、朝食をちゃんと摂ることで食後1時間以内に「胃・結腸反射」による「大蠕動」が起こり、便意をもよおします。
逆をいえば、睡眠不足だと腸管はお掃除不足で、直腸まで便が運ばれません。また、折角しっかり睡眠を取っても、朝食を抜いていると便意をもよおさないので、便が硬くなって便秘になります。
腸活のためには、睡眠不足や不眠症の改善が必要なのです。
不眠症や睡眠の質が悪い方は、リラックスする副交感神経の働きが悪くなっており、身体のゆがみにより緊張姿勢が原因だったり、夕食が足りなくて夜中に低血糖になっている可能性があります。
当院では、身体のゆがみを整えて不眠症の改善もお手伝いしています。
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まとめ
「間違いだらけの腸活」と「健康のための腸活」についてお伝えしてきました。
一般的に腸にいいと言われるものほど、腸活の邪魔をしている可能性があります。
リーキーガットや腸内ガスの影響は人それぞれ違い、あまり影響がない人もいて、全員には当てはまりません。
しかし、長年お腹にいいと思って「豆腐・ヨーグルト・バナナ・玄米・野菜」などを食べ続けた結果、腸内環境が悪くなり、体調を崩して当院に来院される方を多く診てきました。
間違いだらけの腸活は、皆さんにとってとてもショッキングなことだと思います。初めのうちは受け入れられないかもしれません。
今まで通りの腸活でお腹の調子が良くならない方は、是非、新しい視点の腸活を試してください。
食事だけでなく、睡眠時間はしっかり確保するなど、自分で試せることはたくさんあります。
もし自分一人では難しい場合、当院がお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。
当院はお腹専門の整体院ですので、お腹を中心にした施術はもちろん、食事指導や姿勢・運動指導など日常生活から腸活を見直す知識や知恵が身につく教室も行っています。
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