最終更新日:2024/11/15
お腹がパンパンに張っていると、お腹が苦しいだけでなく気分もスッキリしないものです。
お腹の張りの原因は「腸内ガス」と「過剰な水分」です。
どちらも胃腸の消化不良が影響しているため、食生活の見直しと実践が根本的には必要ですが、まずは一時的にお腹の張りをスッキリさせてくれるのが「ガス抜きマッサージ」です。
ガスが溜まったお腹は、風船が膨らんだようにパンパンに張っています。
お腹を押しても硬くなっていて深くは凹まず、自分でお腹を膨らまそうとしてもこれ以上膨らまず、結果お腹を動かすことができません。
このようなガスが溜まったお腹を無理に押すと、苦しかったり、痛かったりして苦痛を感じます。
ガス抜きマッサージは、お腹に溜まったガスをオイルをすり込んで腸から血液に、そして肺から息を吐く際に排出させていきます。
ガスが抜けるとお腹の張りが取れて、お腹がスッキリ軽くなります。
ガス抜きを考えない「腸もみ」は、注意が必要です。
便秘やお腹の張りでお困りなら、ガス抜きマッサージからはじめることをお勧めします。
ガスが溜まるお腹の全体像
ガスが多く発生するのは主に大腸ですが、様々な問題で小腸や胃までガスが発生したり上がっていく場合があります。
消化が悪い食事で小腸で消化・吸収されずにいると、腸内細菌によって分解され「発酵」してガスが発生します。
胃に乳酸菌が多い場合には、糖質が「乳酸発酵」してガスを発生させます。
また、ガスは軽いので温まったり・ゆさぶられることで、下から上に上がっていきます。
このように消化管全体にガスは溜まる可能性があります。
まずはじめに、ガスが溜まるお腹の全体像をご覧ください。
ガスが溜まっているお腹を確認する
みぞおちの上腹部からそけい部の下腹部にかけて順番に軽くお腹に圧をかけて、お腹のどこにガスが溜まっているか確認します。
みぞおちからおへそ
みぞおちからおへそのラインが硬く圧痛がある場合には、大腸の「横行結腸」にガスが溜まっています。
横行結腸が膨満すると、胃を下から圧迫してしまうため、胃の不調や上腹部の張りを引き起こします。
みぞおちから左の上腹部
みぞおちから左の上腹部ラインが硬く圧痛がある場合には、「胃」にガスが溜まっています。
胃が膨満すると、胃の不調だけでなく、隣接する食道・膵臓・脾臓にも影響を与えます。
おへその左側
おへその左側に硬く圧痛がある場合には、大腸の「下行結腸」にガスが溜まっています。
下行結腸が膨満すると、便秘や左脇腹の痛みや張りを引き起こします。
左そけい部から下腹部
左そけい部から下腹部に硬く圧痛がある場合には、大腸の「S字結腸」にガスが溜まっています。
S状行結腸が膨満すると、便秘や左下腹部とそけい部の痛みや張りを引き起こします。
左のそけい部が圧迫されるため、左下肢への血流・リンパの流れも悪くなり、むくみや冷えの原因になります。
お腹の中心部全体から下腹部中央
おへそを中心としたお腹の中心部全体や下腹部中央に硬く圧痛がある場合には、「小腸」にガスが溜まっています。
小腸が膨満すると、過敏性腸症候群やSIBOといった便秘や下痢・腹痛などのお腹の不調、下腹のぽっこりお腹を引き起こします。
下腹部中央が圧迫されるため、膀胱・子宮・卵巣・前立腺など骨盤内の内臓に影響を与えます。
両側のそけい部が圧迫されるため、両下肢への血流・リンパの流れも悪くなり、むくみや冷えの原因になります。
右そけい部から下腹部
右そけい部から下腹部に硬く圧痛がある場合には、大腸の「盲腸」や大腸と小腸のつなぎめの「回盲弁」にガスが溜まっています。
盲腸や回盲弁が膨満すると、下痢や便秘・右下腹部とそけい部の痛みや張りを引き起こします。
右のそけい部が圧迫されるため、右下肢への血流・リンパの流れも悪くなり、むくみや冷えの原因になります。
おへその右側
おへその右側に硬く圧痛がある場合には、大腸の「上行結腸」にガスが溜まっています。
上行結腸が膨満すると、下痢・便秘や右脇腹の痛みや張りを引き起こします。
みぞおちから右の上腹部
みぞおちから右の上腹部ラインが硬く圧痛がある場合には、小腸の「十二指腸」にガスが溜まっています。
十二指腸が膨満すると、消化力が弱くなり胃腸の全般的な不調を引き起こします。
隣接する肝臓・胆のう・膵臓・胃・小腸(空腸)にも影響を与えます。
ガス抜きマッサージ
当院の施術では、本人の自覚がなくても、お腹の張りや圧痛がひどい人には、ガス抜きマッサージから始めます。
ガス抜きには、オイルマッサージ・ゆらし・横隔膜呼吸の3つのステップがあります。
1. オイルマッサージ
ガス抜きのメインとなる施術で、お腹の皮膚にマグネシウムオイルをすり込んでいきます。
特にお腹の張りや圧痛が強かった場所を入念に行います。
すると、ガスが胃腸から血液に吸収されて、肺でガス交換されて息を吐くときに排出されていきます。
目的はガスが溜まっている場所にマグネシウムオイルを皮膚吸収させ、ガスが抜けていくのを補助することです。
ただし、指圧や揉みこむような強い腸もみではなく、ガスを抜くことに専念します。
ガスが多く溜まっている人ほど、ガス抜きに時間がかかります。
また、途中でお腹の痛みがあったり、胃や喉や頭に痛みが出る場合もあるので、確認しながら行っていきます。
ガスがある程度抜けると、お腹の張りが減り、手足が温かくなり、肩こりが楽なり、足指に力が入るようになります。
お腹のオイルマッサージについて詳しくはこちら
2. お腹ゆらし
ガスがある程度抜けてお腹の張りが減ると、お腹を大きく動かせるようになります。
そうすると、次のステップとしてお腹全体をゆらして、マグネシウムオイルが満遍なくガスまで行き渡るようにして、所々残っているガスまで抜いていきます。
丁度、こびり付いたペットボトル内の汚れを、ゆらして水流の勢いで落とすような感じです。
はじめは「①オイルマッサージの延長で気になる部分をゆらしていき」、次に「②服の上かららせん状にゆらしていきます」。
お腹がパンパンなのに「1.オイルマッサージ」のステップがなく初めからゆらしてしまうと、ガスが抜けないばかりか、ゆらしたガスが腸管から上部へ昇ってしまい、気持ち悪くなったり、頭痛や呼吸が苦しくなったりするため、必ずステップを踏むことが大切です。
3. 横隔膜呼吸
ガス抜きの最終ステップは、自分自身の呼吸でしっかりガスを肺から吐き出してもらいます。
どんなにガス抜きマッサージでお腹からガスを移動させても、呼吸が浅ければガスを完全に抜くことはできません。
呼吸で大切なポイントは2つあり、「①鼻で息を吸い・口で吐く」「②横隔膜をしっかり上下動してお腹を動かす」
この2つのポイントを意識することで、通常はしっかりお腹のガスを吐き出すことができます。
しかし、普段から口呼吸になっていたり、横隔膜の上下動が少なくなっている人は、思うように呼吸できない場合があります。
その原因は、肋骨・鎖骨・肩甲骨・背骨など上半身の骨格の柔軟性がなくなっているためです。
この場合には、上半身の骨格の柔軟性をチェックして、硬くなっている部分に補助的な骨格調整を行って、呼吸しやすい状態までサポートいたします。
お腹にガスが溜まる原因
ガス抜きマッサージは、お腹がパンパンに張って苦しい場合に、ひとまずお腹を軽くしてくれます。
しかし、お腹にガスが溜まる原因を知らなければ、すぐにガスが溜まってしまいます。
当院には、お腹のケアで来院される方が多いですが、施術を受けるだけでなく、自分でも自分のお腹を守る知識と知恵を身につけてもらっています。
多くの場合は、お腹にいいと思って食べている食事が原因です。
ガスを多く発生させる食事の例として、乳製品・果糖・食物繊維の多い野菜(玉ねぎ・ごぼう等)・芋類・きのこ類等があります。
当院では「間違いだらけの腸活」として、食事に気をつけているのにお腹の調子がなかなか良くならない方に、声を大にしてお伝えしています。
しかし食事に関しては、アドバイスに拒否反応を持つ方もいるので、ご興味がある方だけ下記のリンクをクリックして詳しい内容をご覧ください。
ガスを発生させる食事など詳しくはこちら
まとめ
便秘とお腹の張りを解消するガス抜きマッサージについて「ガスが溜まるお腹の全体像」「ガスが溜まっているお腹を確認する」「ガス抜きマッサージ」、追加として「お腹にガスが溜まる原因」についてお伝えしてきました。
特に、ガスが溜まっている場所について詳しく図解で説明させていただきました。
お腹が張って苦しい方は、おならが良く出る・ガスが溜まっているので、何とかガスを抜く方法を知りたい、ガスを抜いてくれる所はないかと探されていたと思います。
ガスが多く溜まっている人にとっては、お腹を強く揉むような「腸もみ」では、かえってお腹の調子を崩してしまいます。
お腹を揉む前に、まずはお腹のガスを抜く「ガス抜きマッサージ」があることを知ってほしいのです。
また、ガスが溜まっているのに気づかない人も多く、頭痛・めまい・息苦しいなどは、単に症状だけを改善しようとしても、お腹のガスが根本原因になっていれば、なかなか改善はしないでしょう。
「自分の症状は、お腹のガスが原因ではないか?」と感じた方は、当院もお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。
自分でガス抜きマッサージを試したい方は、1つの参考になれたら幸いです。
当院はお腹専門の整体院ですので、お腹を中心にした施術はもちろん、食事指導や姿勢・運動指導など日常生活からお腹の調子を良くする知識や知恵が身につく教室も行っています。
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当院へのアクセス
いぶきカイロプラクティック
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