腰痛の原因


腰痛の原因について

このページでは、腰痛の原因について詳しく解説しています。

慢性的な腰痛や、施術後には楽になるがまた再発する腰痛には、生活習慣の改善がどうしても必要になります。

またぎっくり腰などの急性の腰痛も、痛みを感じる傷ついた部分だけではなく、潜在的に腰部に負担がかかる姿勢や生活習慣が原因になっています。

①筋肉の問題

背部と腰部の筋肉

腰部は上半身の重さを支えている部分です。

胸部のように肋骨がないため、腰椎と椎間板と腰部の筋肉で主に支えています。

立っている時には下半身の筋肉も使って、腰部だけの負担にならないように分散できていますが、中腰や座っている時には、腰部に直接負担がかかります。
座っていて楽なのは、休んでいる脚の筋肉です。

腰部で痛めやすいのは後面の筋肉です。
腰椎両脇の筋肉(脊柱起立筋)は横向きに寝ている以外、つねに上半身の重さを支えています。支えているたけでも疲労しやすくなります。

また両サイドの筋肉は歩行時や、普段の姿勢により無意識にバランスをとっています。
前側の表面には腹筋がありますが、無意識ではほとんで使われないため、体の支えが弱くなっている部分です。

前側の奥には股関節から腰椎の前側を支えている筋肉(腸腰筋)があり、長時間座っていたり、前かがみの時には知らずに使っていて硬くなる部分です。

このように腰部では、筋肉が体を支え、動かす比重がとても多いのです。

当院では、腰に負担がかからない「座り方の指導」まで行っています。これが身につけば腰の筋肉は疲れません。

筋肉が傷つき炎症が起こると痛みを感じます。
この痛みをかばうように周りの筋肉も硬くなり、痛んだ筋肉を使わないように動きを制限します。

ぎっくり腰で筋肉の炎症がある場合のように、どんな動きも痛いという場合、安静にする必要があります。無理をせず炎症が治まれば3日くらいで痛みは減ってきます。

しかし組織の回復にはまだ時間がかかり、適切なメンテナンスが必要になります。炎症を起こした筋肉や、周りの痛みをかばった筋肉が以前のように正常に働かない場合、くり返し腰痛を感じやすくなります。

②関節の問題

腰椎の関節の動き

腰部の関節はその形状から、前後に体を動かす事が得意です。

前屈では関節の間が広がり、後ろに反らすと関節が近づきます。

関節の痛みは、後ろに反らした時、関節が近づき過ぎて感じる事が多いです。

腰の反りが強い場合、椎間板が薄くなっている場合など、関節がぶつかりやすくなっています。

また腰部の関節は、体を左右にねじる動作はあまり得意ではありません。

立っている時には、股関節を使って骨盤全体でねじり、腰部は補助的にねじっています。
しかし股関節の動きが悪かったり、座っている時など少しだけ体を左右にねじる動作や、ゴルフスイングなどで無理に腰をひねったりすると、腰部の関節を主に使うことになります。

右にねじると主に左側の関節が近づき、左にねじると主に右側の関節が近づきますので、関節に負担がかかればそのねじった動作で痛みます。

さらに体を左右に傾ける動作では、傾いた側の関節が近づきます。
体の左右のバランスを崩していて傾きが強い状態では、傾いた側の関節で痛みを感じやすくなります。

腰部の関節以外にも、骨盤にある関節(仙腸関節)で痛みを感じたりします。
ベルトより少し下で後ろから触って、左右の出っ張っている部分です。

次のような時に痛むことがあります。

●妊娠中や産後で仙腸関節が緩んでいる
●腰や脚の筋肉が硬すぎて、体を動かす時に仙腸関節が必要以上に動いた
●長時間丸まって座っていたので殿部が緊張して仙腸関節に負担がかかった
●仙腸関節を圧迫するような転倒 など

③椎間板の問題

椎間板の構造

椎間板は腰椎と腰椎の間にある軟骨で、腰椎の動きを補助すると共に体重を支え、ショックを吸収する役目があります。

また椎間板の厚さにより腰椎間の神経の出口(椎間孔)を確保しています。

椎間板の中心部にはスーパーボールのような髄核があり、その周りを線維輪が取り囲んでいます。

髄核に十分な水分を含んでいれば、厚みと柔軟性により、効率的にショックを吸収する事ができます。ショックを吸収する際、水分は終板を通って腰椎の椎体へ漏れ出ます。
この水分は、負荷がなくなれば、また髄核に戻っていきます。

ただし、年齢に従って、または十分な回復時間がないと水分が回復できず、椎間板の厚さが失われます。

厚さが失われることで、関節がぶつかりやすくなったり痛みを感じたり、神経の出口が狭くなる事で症状が出たりします。さらに、椎間板の線維輪の外側に亀裂ができ、痛みを感じたりします。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアでは、線維輪から飛び出た髄核が神経に触れて、しびれや痛みを感じたりします。

髄核に十分な水分があった場合でも、線維輪の構造上、荷重がかかりながらねじる動作に弱い為、前かがみで重い荷物を持ったままねじる動作を繰り返したり、瞬間的に過度なねじり動作で線維輪に亀裂が入ると、髄核は十分な水分がある分飛び出しやすく、椎間板ヘルニアになりやすいです。

また睡眠を取ることで、1日の漏れ出た水分が髄核へ戻ると、椎間板の厚さが増え、起床時には夜より身長が高くなります。
この際、線維輪が痛んでいると、髄核の充分な水分により圧力を受けて痛んだりします。

④姿勢の影響

背すじをピンと伸ばした姿勢・脱力姿勢

腰部は骨盤の傾きに応じで左右均等に少し反っているのが理想です。

腰部が反り過ぎたり、反りがなくなってしまうと、体の重さをうまく支える事ができません。反りが強すぎると関節に負担がかかり、反りがなくなり前に丸まってしまうと椎間板に負担がかかってしまいます。

しかし日常では、なかなか理想的な姿勢を維持する事が難しいようです。

腰の一部分だけをを丸めてイスに座っていたり、中腰で立っている場合には、関節での支えが弱くなり、後方に移動した髄核と、後の筋肉がピンと張って体を支えるようになります。
この姿勢が長時間続くと筋肉がとても疲れてきます。

逆にお腹が出ていたり、腹筋やお尻の筋力が弱くなっていて、腰の反りが強くなっている場合、関節にかかる負担が非常に強くなってしまいます。

また立っている時いつも左側の脚に体重を乗せていたり、座っている時にいつも左のお尻に体重を乗せていると脚や骨盤のバランスを崩し、腰部のバランスも崩してしまいます。

このように日常の姿勢で腰部に負担がかかる事が多いのです。

⑤骨盤のゆがみ・脚のバランス

骨盤のゆがみ・脚のバランス

腰部のバランスは、その土台である骨盤や脚の状態に影響されます。

日常的に片脚にばかり体重をかけた姿勢が多ければ、股関節や骨盤はかけた側の外側にバランスを崩しやすく、立った姿勢を後ろから見ると、殿部が外側に出っ張り、反対側の骨盤が下がっている場合があります。

若い女性に多い姿勢で、股関節を極端に内側に捻じって両足先を付けずに内股で座っていたり、内股で膝を過度に伸ばして立っていると、骨盤も捻じれて坐骨が開いてきたりします。

また足首や膝に痛みがあれば、それをかばうように筋肉を緊張させ、骨盤や脚のバランスも変わります。痛みがなくなった後も、筋肉が緊張したままで自覚がないままバランスを崩している事もあります。

これらが原因で腰部に負担がかかりやすくなります。

⑥お腹の硬さ・張り

お腹がパンパンに張った男性

腰痛の方のお腹を触ると、ほとんどがガチガチに硬いか、パンパンに張っています。

お腹が硬いと、前屈、後屈、左右にねじる動きなど、腰や骨盤の動きが制限されてしまい、硬い動きしかできなくなります。

お腹で硬くなるのは、お腹の表面の筋膜、腹筋や腸腰筋などの筋肉、胃下垂などの内臓の位置異常、そして内臓のむくみなどです。

特に内臓のむくみがあると、慢性的な腰痛や便秘・冷え性などがあり、急性のぎっくり腰にもなりやすいです。

内臓のむくみとは、食事・ストレス・姿勢などにより、胃・肝臓・腎臓・腸などに過剰な負担がかかり、血行不良となって内臓の働きが弱くなっている状態です。

食べ過ぎや、ストレスを抱えた生活、いつもお腹に力が入って踏ん張った姿勢は、お腹を硬くし腰痛の原因になってしまいます。

慢性的な腰痛の方は、下腹部のぽっこりお腹だけでなく、日頃からお腹が硬くなっていないかチェックしてみてください。

⑦内臓の問題

原因不明のしつこい腰痛が続く場合、内臓の病気が関係している可能性があります。

内臓の病気が、関連痛として腰部や臀部のこりや痛みとして現れたり、関連痛とは別に全身症状として現れる場合があります。

単に腰が重い症状だけではなく、腹痛・吐き気・発熱などが重なって起こる場合があります。

ゆっくり体を休めていたり寝ていても腰痛が続く、逆に悪化するようであれば、医療機関を受診してください。

しかし、病院の検査で問題ない場合や、慢性的な腰痛の場合、お腹が硬くなって内臓の冷えやむくみが原因になっていることが多いです。この場合は、お腹の整体により、お腹のコリや内臓調整をすることで、腰痛が改善されます。(⑥お腹の硬さ・張りが原因)

ここでは腰痛を起こす可能性がある内臓の病気の一例を挙げています。詳しくは医療機関を受診してお聞きください。

泌尿器系の病気

腎臓結石・尿管結石(尿路結石)

腎臓でつくられた結石(腎結石)が腎臓と膀胱を結ぶ尿管を通過するときに尿管壁を傷つけて腰痛として現われます。結石が腎臓に止まっているときは無症状ですが、尿路を通過するときに脇腹や背中・腰の痛みとして現われます。

疼くような軽い腰痛などに始まり、腰の激しい痛みで七転八倒することもあります。腰痛がなかなか改善せず長びいたり、痛みの位置が少しずつ移動したり、尿意に異常を感じたりする場合は尿管結石の疑いがあります。

腎盂腎炎

膀胱炎から腎臓まで大腸菌などの雑菌が遡り、腎盂が化膿する病気です。右又は左の腰痛に加え高熱が出ます。

すい臓の病気(すい炎・すい臓癌)

急性すい炎では、激しい腹痛・腰痛が起きます。
また慢性すい炎では、激しくはないものの腰痛・腹痛などの症状が起きることがあります。

すい臓はタンパク質・脂肪・炭水化物などの消化を助ける消化酵素(すい液)とインスリンの分泌をします。すい液が過剰に異常分泌されるとすい臓組織そのものを消化して急性すい炎になり、食事のたびに激しい腹痛や腰痛が起きます。入院治療が必要になります。

慢性すい炎は繰り返しすい臓に炎症を起こしてすい臓全体が硬くなって萎縮していく病気で、激しい痛みは少ないものの腰痛・腹痛・消化不良などを起こします。慢性すい炎はすい臓癌や他悪性腫瘍を合併しやすい厄介な病気で、難病(特定疾患)に指定されています。

すい臓は肝臓以上の沈黙の臓器といわれ、すい炎になっても症状が出にくく治りにくい臓器で、すい炎が長く続くとすい臓組織が破壊されてすい液やインスリンの分泌が減少して、消化・吸収に障害だけでなく、糖尿病の症状がでてきます。

十二指腸潰瘍

胃の少し先にできる十二指腸潰瘍は潰瘍が背中側にできると腰の痛みが出ます。
またお腹側の痛みも出て、空腹時に痛むのが特徴です。

血管性の病気(大動脈瘤)

動脈硬化などで腹部の大動脈に瘤ができて徐々に膨らんで大きくなり脊髄を圧迫すると、安静にしていても血管性腰痛として腰の痛みを感じることがあります。

腹部大動脈瘤が破裂すると出血は腹部から腰部に広がることが多いため激しい腹痛や腰痛を引き起こします。

出血が一時止まって腹痛や腰痛の症状が軽くても後で大出血することも多く、急激な血圧低下などを起こして高い確率で生命が危険にさらされることになるため、即刻、手術が必要になります。

腹部大動脈瘤は腹部の大動脈がこぶ状に膨らんだ状態です。破裂する前の腹部大動脈瘤の発見が重要になります。腹部動脈瘤の症状の特徴は拍動性腫瘤です。

腹部動脈瘤が大きくなると臍(へそ)周辺にドキドキする拍動性腫瘤(こぶ)に触れることで発見されることが多いものの放っておかれることも少なくありません。また拍動性腫瘤があっても腹部の脂肪などで気づかれないこともあります。

婦人科系の病気

子宮筋腫・子宮内膜症、卵巣膿腫、子宮・卵巣腫瘍

女性特有の病気による内臓性腰痛があります。
下腹部の痛みや不正出血があるならば婦人科の病気が疑われますので、婦人科の受診をしてください。


このように病気が関係して腰痛が起こっているケースもあるので、変だなあと思ったら整体院やマッサージ店でなく、まず最初に医療機関を受診してください。

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腰痛に応じた当院の施術方法をすべてご覧いただけます。

腰を直接もむマッサージやリラクゼーションだけとは違い、どのように腰痛を改善していくのか参考にしてください。

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