- 肩の痛みで腕が上がらない、手を後ろに回せない
- 肩の痛みで服を着替えたり、ズボンを脱ぐのがつらい
- 夜中に肩の痛みで何度も起きてしまう
- ちょっとした動作で肩に激痛が走る
- 肩の痛みがなかなか良くならず1ケ月以上経っている
- 整形外科や接骨院で治療を受けているが変化が出ない
四十肩・五十肩とは
男女を問わず40代~50代の方に多い「肩関節まわりの痛み」と「運動制限」があり、「四十肩」「五十肩」ともに同じ症状です。
何となく肩に違和感があるな!そのうち良くなるだろうと思っていたら、段々と痛みが増してきて、気づいたら腕を上げたり、服を着替えたりする日常動作に支障が出てくる場合がほとんどです。
正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、何らかの原因で肩関節の組織に炎症が起き、段々痛みが強くなって、肩を動かすことができなくなります。また「凍結肩」と呼ばれることもあります。
炎症が強い時期は「夜間痛」と言って、何もせず横になっているだけで肩がうずく様に痛みが走り、痛みのため夜何度も起きてしまいます。ベッドや布団で横になるよりも、ソファーに腕を持たれて寝る方が楽に感じたりします。
炎症が治まると徐々に痛みが減ってきますが、今度は肩関節の癒着により可動域が悪くなり、以前のように肩が自由に動かせなくなります。
炎症があると痛くて動かせなかった状態に対して、癒着があると痛み以上に動かしたくても動かない状態になります。
肩こりや筋肉痛のような筋肉性の痛みであれば、比較的早期に改善しますが、四十肩・五十肩は、このように炎症と癒着を起こしていますので、自然な改善には1~2年と時間がかかります。
四十肩・五十肩の経過
四十肩・五十肩の特徴として、経過に伴い症状が変わってきます。
- 急性期(炎症期) (炎症のため痛みが強い) 発症~1ヶ月
- 慢性期(拘縮期) (炎症が軽減するが運動制限がある) 1~6ヶ月
- 回復期 (痛みと運動制限が徐々に消失する) 3ヶ月~2年
急性期はおおよそ1ケ月以内で、炎症により痛みや腫れが強く現れます。夜間痛や黙っていても痛みが出る時期でもあり、無理に肩を動かさず安静を心がけることが大切です。
急性期に無理に肩を動かしていると炎症の範囲が広がり、炎症期間が長引いてしまうため、五十肩の回復がとても遅れてしまいます。
慢性期は炎症が軽減する1ケ月以降で、肩関節が癒着しやすく、運動制限が強くなる時期です。少しずつ無理しない範囲で肩まわりの治療や運動により、可動域の改善が必要になります。
回復期は痛みが消失しますが運動制限が残る時期です。年齢やお体の状態により時期は異なります。
およそ6ヶ月~2年を経て、四十肩・五十肩は改善します。ただし自然治癒の場合は可動域が元通りになるとは限りません。その意味で適切な運動や治療・施術は必要です。
当院では、炎症が治まった慢性期から積極的な五十肩の施術を行っています。急性期にはリラクゼーション的な肩甲骨まわりの施術と、肩以外に施術を行い炎症が落ち着くのを待ちます。
癒着が起こる部位
体のゆがみによる肩への負担や、肩の酷使を長年続けた結果として、肩関節まわりの筋肉や腱・関節包などの組織が傷つき、炎症をおこしてそのまま癒着してしまったものが四十肩・五十肩です。
何らかの原因で肩関節を傷めても、炎症が治まり癒着まで起こしていなければ四十肩・五十肩ではありません。多くは筋肉性の問題で、筋肉のケアをすることで比較的早期に改善します。
この癒着を起こす部位は図にように、滑液包、筋肉(棘上筋・上腕二頭筋)、関節包という組織になります。
- 肩峰下滑液包炎
- 癒着性関節包炎
- 癒着性滑液包炎
- 棘上筋の石灰化
- 上腕二頭筋長頭の腱鞘炎
癒着が起こる最も深部の組織が「関節包」です。肩の関節包は360度ぐるりと肩関節を取り囲んでいるため、癒着性関節包炎では、前方・後方・上方・下方のどこにでも癒着を起こす可能性があります。
癒着性関節包炎では、凍結肩のように肩が動かせなくなると共に、神経支配の領域に痛みが出ます。肩を上げると「肩の外側に痛みが出る」場合、下方の関節包の癒着があり、腋窩神経による痛みが出ます。
棘上筋の癒着があると、凍結肩のように90度外側に開けなくなります。これはかなり重度な五十肩で、癒着をはがす治療までしていかないと可動域は回復しません。
四十肩・五十肩の原因
肩関節そのものの問題は確かにありますが、実はもっと根底に原因があります。ゴルフなどのスポーツや腕を伸ばして肩関節を傷めたり、日常生活で肩を酷使していないのに肩関節が痛くなる方も多くいます。肩関節だけでなく全身を考えた次のような原因が考えらます。
実際に四十肩・五十肩は、肩や腕などに症状が現れますが、肩関節の痛みを起こす要因が五十肩の真犯人なのです。
①体のゆがみ (★最初の原因)
肩関節は人体で一番可動域が大きい関節です。猫背やストレートネックなど体のゆがみがあると、肩甲骨と共に肩関節の左右の位置にもゆがみが生じてしまい、動きやすい関節だからこそ日々負担をかける生活を続けて傷めてしまいます。
五十肩の最初のきっかけは、このように体のゆがみが関係します。すでに五十肩になっている方には、肩関節自体の治療と共に、肩関節のバランスに影響する体のゆがみも整えていくことが大切です。
②肩関節の癒着 (★★根本的な原因)
日常生活での転倒やスポーツでの怪我・筋疲労だけでなく、気づかずに肩に負担をかける生活により、肩関節まわりの組織に炎症がおき、その後の癒着により四十肩・五十肩になります。
炎症がある痛みが強い時期にスポーツなど無理をしたり、癒着がはじまる時期に安静にし過ぎて肩をほとんど動かさないでいると、癒着が完成してしまいます。
③脳卒中や心臓病を守るため (★★隠れた原因)
実は臨床上、「肝臓」の負担が強いと「右の五十肩」、「心臓」の負担が強いと「左の五十肩」になると感じています。
肝臓の負担が強いと、最終的には後頭部が硬直して、脳卒中を起こすと考えられています。
また、心臓に負担が強いと、左の背中が硬直して、心臓病を引き起こすと考えられています。
一時的に肩甲骨や肩関節を硬直させ、これ以上の硬直が後頭部や心臓に入りこんで、脳卒中や心臓に至らないように体を守っているのです。
肝臓や心臓に負担がなくなり、脳卒中や心臓病の危険性がなくなって初めて、肩甲骨や肩関節はゆるんでくるので、四十肩・五十肩の改善には1~2年と時間がかかります。
肝臓の負担とは、お酒や油っぽい物の摂り過ぎだけでなく、頭や目の使い過ぎによる疲労を続けていると起こります。
心臓の負担とは、ストレスや気の使い過ぎによる精神的な疲労と、これを解消するための甘い物の摂り過ぎが続いていると起こります。
このような肝臓や心臓の負担に気づいて、自分の体に興味をもってケアしてあげることが、五十肩の改善につながります。
四十肩・五十肩に対する当院の施術方法
肩や肩甲骨まわりの筋肉をゆるめながら、最終的に肩関節の癒着を取り除き、肩の痛みと可動域を改善することが目標になります。
急性期には炎症を落ち着かせる施術、慢性期には段階的に癒着をはがす施術まで行っていきます。
四十肩・五十肩になる背景には、体のゆがみや肝臓・心臓の負担があるので、肩だけでなく並行して全体的なアプローチを行います。
四十肩・五十肩は、同じ肩の痛みでも改善に時間がかかります。自然治癒に1~2年かかるところを、6ヶ月~1年で肩に痛みなく可動域が以前に近い状態まで戻るよう施術していきます。
①足元から全身のゆがみを調整
肩関節は単独では最大限に動かすことができません。肩甲骨や肋骨・背骨の動き、骨盤や下肢による体幹バランスが働くことにより、初めてちゃんと肩関節を動かすことができます。
体の土台となる足元から順番に下から、下肢→骨盤→背骨→肋骨→肩甲骨とバランスを整えることで、五十肩に影響する肩関節以外の要因を取り除いていきます。
②お腹・内臓の施術
肝臓や心臓の負担が五十肩の背景にあるため、お腹・内臓への施術も並行して行っていきます。
右の五十肩の場合、肝臓がある右のみぞおちを中心に、お腹と肋骨の柔軟性を改善していきます。
左の五十肩の場合、心臓・胃と関係する左のみぞおちを中心に、お腹と肋骨の柔軟性を改善していきます。
あお向けで腹部八反応点に対する筋膜アプローチによりお腹全体の調子を整え、最終的にみぞおちが柔らかなり肝臓や心臓・胃の滞りを改善していきます。
みぞおちが硬くなるとその影響で「肋骨」や「横隔膜」も硬くなり、肩の動きを極端に制限してしまいます。減腔(げんくう)という肋骨・横隔膜の柔軟性を取りもどす施術も行い、肩への負担を軽減していきます。
肝臓や心臓の負担はすぐに改善するわけではありません。ストレスの軽減や食生活の見直しも含め、腹部八反応点への施術回数を重ねて少しずつ改善していく必要があります。
③肩甲骨・肩関節への施術
最後は、肩関節の癒着をはがすための直接施術が必要になります。
これには施術する順番が大切で、①肩・肩甲骨の筋肉へのリラクゼーション施術、②肩・肩甲骨の筋肉・神経への施術とトレーニング、③肩関節の癒着はがし、と筋肉が最大限にゆるんで癒着をはがせる状態をつくりながら、①~③を繰り返して施術していきます。
肩や肩甲骨まわりの筋肉が硬直した状態では、肩関節の関節包まで施術が届かず、筋肉を傷めてしまったり癒着をはがすことができないためです。
①では、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋といった肩のインナーマッスル、小胸筋・前鋸筋・菱形筋といった肩甲骨のインナーマッスル、三角筋・大胸筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋といった肩のアウターマッスルをはじめに徹底的にゆるめていきます。
②では、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小胸筋の神経とトレーニングにより、細胞レベルで筋肉の働きを改善していきます。
③では、棘上筋・関節包(上前方・後下方など)の癒着をはがし、肩関節の根本的な可動制限を解除していきます。
五十肩の改善にかかる期間
- 筋肉のみの拘縮(五十肩ではない) 1~10回程度。(間隔は短いほどいい)
- 筋肉と関節の拘縮 週に1回で10~20回程度。
- 筋肉と関節の拘縮・癒着 週に1回で20~30回。30回以上かかる場合もある。
※通常痛くなってから1ヶ月以内は「急性期」で炎症があり、どこに行っても強い痛みはなくならないことが多いです。
※1ヶ月以上経っている場合でも急性期の場合もあり、急性期か慢性期かは1度施術して経過を診ないとわからないのが現状です。2回目以降は施術後の反応を診て、急性期の施術・慢性期の施術とアプローチ方法を変えていくか、急性期には施術せずに慢性期に入ってから施術していくと判断していただいても結構です。
四十肩・五十肩は他の関節痛と違って改善に時間がかかります。
急性期には無理は出来ませんが、慢性期には癒着が酷くならないように早めの施術をおすすめします。
自然治癒でも1~2年で痛みや可動域はある程度改善しますが、癒着して可動域がなくなっている方もいます。施術をした方が早く良くなるだけでなく、可動域が以前に近いくらい回復することが望めます。
四十肩・五十肩でお困りの方はお気軽にご相談ください。
当院には、肩に注射やシップ、筋肉を揉むだけでは楽にならない四十肩・五十肩の患者さまが来院されています。
また食事やセルフケアなどを覚えて根本的に改善したい方、副作用がない方法を考えている方など、お気軽にご相談ください。
当院へのアクセス
いぶきカイロプラクティック
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