冷え性の原因【具体編】


冷え性の原因

冷え性のタイプ

冷え性のタイプには、このようなものがあります。

(1)末端冷え性
手足の先が冷える

(2)下半身冷え性
座りっぱなしの姿勢などが血流を悪くする

(3)内臓冷え性
手足が温かいのにお腹や腰まわりが冷える

(4)全身冷え性
手足もお腹も冷たく全身が冷えている

(5)ほてり冷え性
手足は冷たいのに上半身や顔がほてっている

しかし、冷え性の原因(基本編)でもお伝えした通り、どのタイプでも内臓の血液の流れが最も重要となります。

【関連記事】 冷え性の原因【基礎編】

冷え性の基本となる原因について解説しています。

まだご覧いただいていない場合、こちらからご覧いただけます。

冷え性の原因【具体編】

ここでは、その内臓に問題を引き起こす、冷えの原因について具体的に列挙しています。

①足の小指の歪み
足の小指が動かないと足の冷えは改善しません

②汗と内臓
内臓が冷える本質的な原因

③体を冷やす服装・圧迫する服装
体が冷える服装や血流を滞らせる靴下やスパッツの使用など

④体を冷やす食品
日常的に体を冷やす飲食をしている

⑤ふくらはぎのポンプ運動
日常的に足裏を使っていない

⑥胃下垂・内臓下垂
胃下垂による内臓の冷え

⑦温度勾配(おんどこうばい)
血液の流れに最も影響すること

⑧呼吸と姿勢
胸を張る、背筋を伸ばすというまちがった姿勢

⑨骨盤のゆがみ・骨盤の柔軟性
日常生活や歩行時に骨盤全体がグニャグニャ動いていない

⑩恥骨のゆがみ
恥骨のゆがみが原因の下半身への血行不良

⑪むくみと血行不良
むくんだ体では全身に血液が流れない

⑫自律神経の問題
体温をコントロールしている脳の体温調整中枢や各自律神経の不調

⑬脳疲労と頭の血管
頭蓋骨が原因の全身への血行不良

このように冷え性といっても、原因は十人十色。

手足が冷えるからと、手足をさすったり、カイロや冷えとりグッズに頼ったり、栄養剤やサプリメントを飲んでばかりいても、根本的には改善しないのは、自力による内臓を中心とした血液の流れがないままだからです。

手足を温めたり、揉んだりすれば一時的に症状は軽快しますが、またもどってしまうのです。

補助的に冷えとりグッズで外から温めながら、自分の体の中に問題があると自覚し、体のゆがみ・内臓の不調・ふくらはぎのポンプ運動などを改善し、健康を見つめなおす好機をもらったと考えてはいかがでしょうか。

①足の小指のゆがみ

足の小指のゆがみ

足の小指が動かないと、足の冷えの根本原因になります。

冷え性の方は、自分の小指が動くか確認してみてください。

足は本来、小指から動かすことで大きく動き、足底のアーチや血行を促進しています。

親指から動かすと、足の可動域が小さくなり、足の血の巡りを最大限に発揮することができません。

足はカラダの土台で、しっかり地面を踏みしめて安定している必要があります。

冷え性だけでなく、腰痛の方も小指が動かない方が多いです。

小指が縮んで曲がって固まっていれば、少しずつ真っ直ぐになるように伸ばしていきましょう。

そして最も動かしにくい第1関節(DIP関節)、比較的動かしやすい第2関節(PIP関節)・第3関節(MP関節)がスムーズに動くようになると足は温まっていきます。

当院では慢性的な冷え性・腰痛の方には、靴下を脱いでもらい、特に小指の関節を1つ1つ丁寧に油を差すように調整していきます。

足の小指は特に大切だという事を覚えておいてください。

②汗と内臓

冷えを感じるとトイレが近くなるのは、腎臓の働きと冷えが関係しています。

腎臓は肝臓のように熱を発生させませんが、血液のフィルターの役目をもち、老廃物や余分な水分を尿として排泄すると共に、肝臓から発生した熱を淀みなく体中に巡らせています。

寒くなると体温が奪われないように、汗をかくことを抑え、体の表面にある血管を収縮させ血流量を減らします。逆に体内の血流量が増え、腎臓を通る血液が増えて、作られる尿も増えるためトイレが近くなります。

寒い環境ではこのような体の機能が働くのが正常ですが、いつも体に冷えを感じる人は、汗をかけないことで出るはずだった水分が体の中に残り、尿として排泄されるまでの間体内でその水分が冷えてしまっているのです。

汗をかくことで、肝臓にたまった熱を分散し、尿をだす腎臓の働きを助け、肝臓と腎臓の流れを改善させます。

温かい体の特徴は、その季節や環境のふり幅にうまく順応できて、汗がよくでて常に体温を一定に調整する力がある体です。汗をかくことが、いかに肝臓や腎臓の機能にとって重要であるかということです。

③体を冷やす服装・圧迫する服装

●冷やさないでほしい所

体の中で冷やさないように気をつけてほしい所は、お腹とその真裏の背中になります。

内臓を冷やさないようにしてほしいという事ですが、副腎と腎臓だけ背中側にあるので、ここを忘れないでください。

●季節に合わせて

夏が来れば体は冷えることを求め、冬が来れば体はあたたかさを求めるのが普通です。夏は薄着に、冬は厚着になるのが当たり前ですが、冬でも半袖のセーターに短いスカートという女性もよく見かけます。

オシャレはとて大切です。同じオシャレをするなら、寒いのを「我慢するオシャレ」ではなく、心も体も温まる「楽しいオシャレ」をしませんか?

スーパーや銀行、電車やバスなど、夏などは短い時間でも冷房にあたる機会も多いです。羽織ものを持ち歩くようにして、寒冷エネルギーから身を守るのも生活の知恵です。

逆に夏でも厚着をし過ぎて、汗でむれたり、むれた汗がいつまでも体の表面に留まり、冷房で冷えてしまっては、冷え性の原因になってしまいます。

季節に関わらずおすすめなのは「腹巻」です。特に睡眠中にお腹を保温してくれるのと、下半身への血流・リンパの流れを良くしてくれるのため、夏場のクーラーでも冷えにくくなります。

●お股は温め過ぎてはいけない

女性が男性よりも冷えを感じやすい1つに、実は、膝を閉じてお股を温める習慣があります。

後ほど「⑦温度勾配」でお伝えしますが、血液の流れは体内の温度差によって成り立っています。お腹もお股も温かいと、子宮などの下腹部の血流は停滞してしまうのです。

ストッキングなどで必要以上にお股を温めて、蒸れさせないでください。

●圧迫しすぎて血液が流れない

普段から何気なく身につけているものが、体を圧迫し血液の流れを悪くして、冷え性にしていると気づいていますか?

気をつけてほしい所は、足先、足の甲、ふくらはぎ、前腕です。

その中でも特に、第二の心臓である「ふくらはぎ」と第三の心臓である「前腕」が重要です。

足先が動かせない自分の足に合わない狭い靴は、冷え性の原因になります。

靴ひもをギュッとしっかり結びすぎると、足の甲が圧迫されてしまいます。

ふくらはぎに靴下の跡が残るようなキツイ靴下は、ふくらはぎの血流を止めてしまいます。

靴下は、最後に圧迫する部分がふくらはぎでなく、足首か膝関節になるように調整すると圧迫の心配がなくなります。ただしもともとキツイ靴下やスパッツ・サポーターの使用は避けた方が無難です。

腕時計やリストバンド、長い手袋は、手首や前腕がキツ過ぎないものを使用してください。

④体を冷やす食品

体を温める食べ物・体を冷やす食べ物

●暑い地方の食べ物は体を冷やす

寒い地方に育つ食べ物は体を温め(陽性食品)、暑い地方に育つ食べ物は体を冷やします(陰性食品)。

寒ければ温かいものを、暑ければサッパリしたものを食べたくなるものです。そのため、暑い地方でよく収穫される食べ物は、体を冷やすものが多いです。

【南方産の果物】

バナナ、パイナップル、みかん、メロン、レモン、トマト、キュウリ、スイカ

【南方産のその他】

カレー、コーヒー

逆に、北方産の「体を温める食品」を摂りましょう。

  • 生姜
  • ネギ
  • ごぼう

●柔らかいものほど体を冷やす

水や油を多く含むものの特徴は、柔らかいということです。

【水分の多いもの】

酢、牛乳、ビール、ウイスキー、コーラ、ジュース、緑茶、コーヒーなど

【油(脂)を含んでいるもの】

バター、マヨネーズ、クリームなど

逆に、硬い「体を温める食品」を摂りましょう。

  • せんべい(お米由来)
  • 漬け物(原素材よりも硬いもの)

●青・白・緑と寒色系は体を冷やす

冷たい感じを与える寒色系のもの、甘いものは、体を冷やしてしまう。

牛乳、青汁、豆乳、白砂糖、お菓子、白パン、化学調味料、科学薬品、緑茶など

逆に、黒・赤・橙・黄色の暖色系の「体を温める食品」を摂りましょう。

  • 赤身の肉
  • 質のいい卵
  • 塩シャケ
  • めんたいこ
  • 紅茶
  • 小豆
  • 黒豆

●塩よりも酢の方が体を冷やす

酢(K=カリウム)の多い食べ物は、体を冷やしてしまう。

葉菜、牛乳、ビールなど

塩(Na=ナトリウム)の多いの「体を温める食品」を摂りましょう。

  • 発酵食品(味噌、しょうゆ、納豆)
  • 梅干し
  • 根菜(ごぼう、にんじん、レンコン、ネギ、玉ねぎ、山芋)
  • ニンニク

●体を冷やす飲み物

これまでの冷やす性質のもの、原料の問題で体を冷やしてしまう。

牛乳、ビールやウイスキー(原料の麦に体を冷やす性質がある)、白ワインなど

逆に、「体を温める飲み物」を飲みましょう。

  • ほうじ茶
  • 番茶
  • ブランデー
  • 赤ワイン
  • 日本酒
  • 紹興酒

●化学薬品は体を冷やす

多くの化学薬品、化学物質も体を冷やします。

薬、食品に入る保存料、着色料、添加物、石鹸、シャンプー、過度な消毒など

薬が体を冷やすことを知ったり、皮膚表面を弱酸性に保つことによって有用菌を守ったりしましょう。(自分の体は自分で守りましょう)

⑤ふくらはぎのポンプ運動

ふくらはぎ

冷え性があるとほとんどの場合、手足の冷えだけでなく、下半身のむくみ、足のだるさなども出てきます。

靴下を脱いだ時に、足に締め付けられた跡が残ることはありませんか?

特に足の冷えとむくみは、第二の心臓と言われる「ふくらはぎ」の筋肉ポンプ運動が大きく関係しています。

ふくらはぎのポンプ運動は、足元から心臓に向かう静脈やリンパの動きを補助する役割をして、血液の流れは体を温めると共に末端にまで栄養やエネルギーを運んでいます。

靴や歩き方の影響により、ふくらはぎのポンプの活動が機能していない状況が多くあります。

今の靴の多くは、フィット感が強く、蹴って歩くことができない構造や足裏の靭帯の動きが止められてしまう構造のため、素足感覚の骨で立っている感覚を感じません。

骨で立っているからこそ足裏の靭帯の動きが活性されて、ふくらはぎの筋肉ポンプ運動となる事ができます。

手足のむくみや冷え性の改善には、先ずは足の裏からの活動を意識する事、素足感覚を取り戻すことで大切です。

当院では、【冷え性を根本的に改善するインソール】を取り扱っています。

⑥胃下垂・内臓下垂

正常の胃と胃下垂

胃下垂は2つの原因でおこると当院では考えています。

①お腹や太ももの肉体的なコリ

疲れや運動不足により、お腹や太ももが縮こまり硬くなる。

  ↓

お腹や太もものコリにより、下腹部が物理的に引っ張られ、胃下垂や内臓下垂がおこる。

  ↓

胃下垂や内臓下垂が原因で、内臓の機能が弱まり、内臓が冷える。

  ↓

内臓が冷えるとその横の動脈も冷えて、下半身や全身の冷えを感じる。

  ↓

内臓の冷えにより消化吸収が衰え、さらに体が温まりにくくなり、コリが熱をもって癒着する。

  ↓

冷え性やむくみなど、様々な症状が現れるようになる。

②背筋を伸ばした姿勢によるお腹の拡張

背筋を伸ばした姿勢により、お腹にスペースをつくる。

  ↓

スペースができるので体液や脂肪などの軟部組織がそこを埋める。

  ↓

またスペースができると、内臓がむくみやすくなったり、胃下垂や内臓下垂がおこりやすくなったりする。

⑦温度勾配(おんどこうばい)

温泉に入っている女性

血液などの液体は、温度の高いとこから低いところへ自然と流れます。

これを温度勾配といいます。

この温度勾配による血液の流れが、最も自然で最も効率的なものなのです。

露天風呂では、頭が寒くて足元が温かい(頭寒足熱)、温度勾配を利用して最高に体を温めることができます。

逆にいうと、頭も足元も温かい場合は、温度勾配がおこらず血液の流れは停滞し、体は冷えを感じてしまいます。

ただし、足元を冷たくして頭を温かくする、というのは避けてください。感覚的にこれは冷えてしまうと思います。

冬場の暖房、夏場の冷房でも、頭寒足熱を心掛けてください。足元は温めて冷やさず、頭は風通しをよくして温めないようにする。

あとは女性の場合、ストッキングや膝を長時間閉じる姿勢で、股間を温め過ぎないようにしてください。お腹は温めた方がいいですが、お腹と股間を温めると、温度勾配がおこらなくなり子宮など骨盤内の血液循環が悪くなります。

 

当院へのアクセス

いぶきカイロプラクティック
〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-1-18 フローラル・幸 2階
川越駅西口徒歩7分・ウニクス川越の真向い
駐車場なしウニクス川越をご利用下さい

営業時間 9~22時(受付20時まで)
不定休 (営業案内をご覧ください)
TEL 0120-184-497

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