肩こりの原因


肩こりの原因

このページでは、肩こりの原因について詳しく解説しています。

慢性的な肩こりや、施術後には楽になるがまた再発する肩こりには、生活習慣の改善がどうしても必要になります。

また頭痛や吐き気を伴う肩こり、手のしびれを伴う肩こり、四十肩・五十肩、寝違えなどの急性の痛みを伴う肩こりも、痛みを感じる傷ついた部分だけではなく、潜在的に肩・首・肩甲骨・腕に負担がかかる姿勢や生活習慣が原因になっています。

①筋肉の問題

背部と上肢の筋肉

首や肩の後ろには大きな筋肉があり、頭や腕の重さを支えています。

これは意識して使っているわけではないので、知らず知らずに疲労しています。

頭の重さは成人で約5kgと言われて、ボーリングのボール11ポンドに相当します。

頭の位置が体の中心にあれば、背骨のクッションにより、頭を支える筋力は最小限で済みます。

しかしデスクワークなどの頭を前に突き出した姿勢では、支える筋力もかなり必要になります。

また腕は日常生活でよく使う部分で、荷物をもつような力を使う動作や、手先を使う細かい動作を行います。

腕は肩関節でつながりぶら下がっている状態で、肩には腕の重さだけでなく腕を使う事で引っ張られる力が加わります。

頭や腕を支えている首や肩の筋肉は、縮こまって硬くなっているというより、糸がピーンと張ったように伸ばされて硬くなっている状態です。

このように伸ばされた筋肉はかなり疲労しやすく、縮こまった筋肉よりさらに血行が悪くなり、酸欠や疲労物質も溜まって悪循環を繰り返します

酸欠では筋肉が力を発揮できなくなり、疲労物質が溜まるとその部分が刺激され、こりや重苦しさを感じやすくなります。

また肩甲骨を支える筋肉では、日常よく使う強い筋肉とあまり使わない弱い筋肉とのバランスに差が出すぎると、肩が上がったり逆に下がったりして弱い筋肉が伸びきって疲労してしまいます。

②関節の問題

背骨の関節の動き

筋肉は関節にまたがって付いている為、筋肉を使うことで関節が動きます。

関節の動く方向はその形によって決まっています。

首であれば頚椎や後頭骨の関節が、背中であれば胸椎や肩甲骨や肋骨の関節などが動きます。

それぞれの関節が協力して、1つの大きな動きを行います。

動きの悪い関節があると、他の関節がその分余計に動かなければなりません。

逆に緩んだ関節があると、他の関節がその分動きをセーブする必要があります。

動きの悪い関節や緩んだ関節がなければ、各関節にかかる負担は最小限で済みます。

しかし同じ姿勢をずっと続けていたり、不意な動きをしたり、ケガをしてかばったりすると、ある関節はあまり動かずに別の関節はそれを補うために動き過ぎたりと違いがでてきます。

動かない関節は負担は少ないですが、その周辺筋肉はなかなか動いてくれないので血行が悪くなり、ますます硬くなってきます。

動き過ぎている関節は、負担が大きいため痛みを感じたりします。

長時間パソコンを使っていたり、自分で首を鳴らしたりするのは、一部の関節だけでなく他の関節にも影響を与えてしまうのです。

③姿勢の影響

脱力姿勢と背すじをピンと伸ばした姿勢

自分で姿勢が悪いと感じている方が多いですが、間違った姿勢の認識をしています。

  • 立っている時、背すじを伸ばした姿勢・胸を張った姿勢
  • イスに座っている時、首と頭が肩よりも前に出ている姿勢
  • イスに座っている時、猫背を嫌い背もたれにもたれず、背すじをピーンと伸ばした姿勢
  • パソコンを使っている時、物を書いている時、力んで肩が上がっている姿勢
  • 緊張やストレスから肩が上がった姿勢
  • 寒くて首が縮こまり肩がすくんだ姿勢
  • 重い荷物をずっと片方の手で持っている姿勢
  • 脚を組んで座っている姿勢
  • 寝そべってテレビを見ている姿勢
  • 机やテーブルに肘をついている姿勢
  • 電話の受話器を耳にあて首を傾けている姿勢

一般的に背すじを伸ばす姿勢はいい姿勢と認識をされていますが、力んでしまっていて体にいい事はありません。
実は、背中を丸めて脱力した姿勢の方が、肩こりになりにくいのです。

また姿勢の一例として、体を右に傾ける場合、始めのうちは右側の筋肉が縮まって疲労します。

左側の筋肉は伸ばされている状態ですが、これが長く続くと左側にも限界がきて疲労してきます。

1~2分では感じなくても1時間この姿勢を続けていると辛くなりますね。

何がいい姿勢で何が悪い姿勢なのかの判断は難しいです。

悪い姿勢と感じていても、その人には楽な姿勢もあります。

見た目にいい姿勢でも、無理して続けていると辛くなる場合もあります。

適度に姿勢を変える事が大切です。

ただある程度、首や肩に負担がかからない姿勢の基準が必要です。

背中はある程度丸まり(後弯)、首は多少反っている(前弯)状態で、頭の位置が体の中心にある。これらを無理なくしている姿勢が理想です。

実際には上半身だけの問題ではなく下半身からも影響を受けます。

一度、立ってつま先立ちをして戻ってみてください。

多少先ほどよりも姿勢が良くなっていると感じませんか?

つま先立ちは、体をまっすぐ真上に伸ばす動作で、足から頭の先まで一体となって体を動かす事ができます。これにより姿勢の変化が体感できます。

④ストレス

ストレス

ストレスには、急激な寒さや激痛や疲労といった肉体的ストレスと、悩みや悲しみなどの精神的ストレスがあります。

自分の好きな事をしている時、少々姿勢が悪くても、肩こりなど全く感じない事が多いです。しかし嫌いな事をしている時は、時間が経つのも長く、凄く肩がこります。気持ちの状態で肩こりの感じ方は違います。

少々のストレスには、自身の防衛反応が働いてある程度適応しようとしますが、限度を超えるストレスが続くと、体の臓器や器官をコントロールしている自律神経がバランスを崩し、体調の変化となって現れます。

呼吸が浅くなったり、浅い呼吸を過度に早く繰り返したりなど、人間にとって基本的な自律機能に影響します。

また内臓-体性反射により、内臓が自律神経から受けた信号は、常に中枢神経を通って筋肉の緊張度を変化させます。

このような事が重なり肩こりを感じるようになります。

⑤手と腕の影響

手と腕を使い過ぎている女性

首・肩・背中などに負担がかかっている事が多いですが、腕の重さもばかに出来ません。日常で手や腕を使うことはとても多いです。

利き手はすべての動作の基本として、もう一方の手は補助として働いています。

利き手は使いやすいので筋肉も疲労しやすいです。

親指のつけ根(手のひら側)を触ると硬くなっていて押すと痛かったりします。

親指を動かしながら、手のひら側の前腕(肘より下の部分)を触っていると、筋肉が動いている事がわかります。

他の指も同じように動きます。指以外の筋肉も自然と使っているという事です。

上腕の筋肉は、肘を曲げたり伸ばしたりする時によく使います。食事で食べ物を取って口に運んだり、洗面所で顔を洗ったりなど。

これらの積み重ねで腕の重さが知らず知らずに肩こりに関係します。

利き手でない側の手は、補助ばかりでなく、荷物を持つときの主力として活躍している事が多いです。

スーパーで買い物袋を持つとき、赤ちゃんを抱っこする時の下側など、主に支える役目として使っています。

また手は体から少し離れたものを持ったり、操作する事が出来ます。

体から近ければ負担が少なくても、離れていたりすると腕自体の重さを感じて疲れたりします。

腕の重さを支えているのは背中や肩甲骨の筋肉です。

腕を伸ばしてパソコンを使っていたり、車の運転でハンドルを握っていたりなど、知らず知らずに腕を酷使している事もあります。

このように手や腕は疲労しやすく、腕を支えている部分では肩こりを感じやすくなるのです。

これとは別に腕を使っていない事もあります。

荷物を持っていたり、ポケットに手を入れていると、歩いている時に腕を振りません。

腕を振ることで歩行のバランスをとり、腕や背中の自然な筋力がついて循環良くなります。肩こりだけなく五十肩の予防にも効果的です。

⑥咀嚼不足による問題

腸

慢性的な肩こりの一番の原因が咀嚼不足です。

毎日の食事で良く噛まずに丸のみ早食いをしている人ほど、ひどい肩こりが改善しません。

ちゃんと咀嚼していれば唾液が出て、消化をとても助けてくれます。

胃や腸に負担をかけず、小腸で消化した食べ物が吸収されます。

消化に時間がかかれば、小腸に食べ物が吸収されるのに時間がかかり、血液を奪われいつも眠くなります。

うまく消化ができず、大腸送りになれば、便秘やお腹の硬さを訴えるようになり、小腸や大腸の重さにより深部からの肩こりを引き起こします。

肩は小腸・大腸の重さに負けまいと肩をすくめて対抗するようになります。

また唾液が出ないと、耳下腺~舌下腺のいわゆる顎まわりや喉・首の前側がつまり、呼吸器系の問題で酸欠になり、さらに肩こりを悪化させます。

できる限り良く噛んで消化器系に負担をかけないようにしましょう。

どんなに栄養価が高いものを食べても、ちゃんと消化しなければ意味がありません。便秘と肩こりの元になってしまいます。


さらに噛み方にも注意が必要です。歯だけで噛むのではなく、喉やほっぺたを使って顎を動かし噛むようにしてください。身体を楽器のように胸も使って前後に動きように噛むと最高の咀嚼になります。

決して歯だけ噛んで、身体が微動だにしない噛み方はしないでください。咀嚼を見直すだけで、腸内環境も改善され、肩こりから解放されていきます。

⑦内臓の問題

原因不明のしつこい肩こりが続く場合、内臓の病気が関係している可能性があります。

内臓の病気が、関連痛として首から背中のこりや痛みとして現れたり、関連痛とは別に全身症状として現れる場合があります。

単に肩がこる症状だけではなく、頭痛・背部痛・胸痛・めまい・動悸・息切れ・倦怠感・咳などが重なって起こってくることに特徴があります。

ゆっくり体を休めていたり寝ていても肩こりが続く、逆に悪化するようであれば医療機関を受診してください。

ここでは肩こりを起こす可能性がある内臓の病気の一例を挙げています。詳しくは医療機関を受診してお聞きください。

左胸から左肩にかけてのこり・痛み

心臓の病気 (心筋梗塞・狭心症)

特に狭心症や心筋梗塞は、命に関わる重大な病気なので注意が必要です。

左側の肩や背中がこる・胸にかけての痛みがでたり、左手の小指が痛い・重だるいことがあります。激しい胸痛発作が起こることもあり、おかしいと感じたらすぐ医療機関を受診してください。

私の父は我慢強い人で、肩こりや胸の苦しさを感じながらも仕事を2~3日普通にしていました。

夜間あまりの胸痛のため、救急車を呼んで救急病院に搬送されました。

急性心筋梗塞という事で緊急手術をして一命を取り留めました。

手術までに時間がかかってしまっては危なかったと思います。

あまり我慢しないで、おかしいと思ったら絶対に医療機関を受診してください。

右肩から肩甲骨のこり・痛み

肝臓・胆嚢の病気

右肩や右肩甲骨周辺、背中が痛む時は肝臓や胆嚢に障害がある場合があります。

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ初期の自覚症状がほとんど現れないことでよく知られています。肝臓に障害があると、肝臓の上にある横隔膜が刺激され、肩の動きが悪くなります。肩の動きが悪くなると、右頚部から肩の後ろのかけてこりや痛みを感じます。

また胆嚢炎や胆石があると右脇腹が激しく痛みます。

肩こりだけでなく風邪をひいた時のように体がすごく重たく疲れが取れないこともあります。

肩甲間部や左肩のこり・痛み

胃腸障害

胃の調子が悪い時は胃の痛みや不快感がでることが多いですが、肩甲骨の間に痛みや重苦しい感じがすることがあります。

首から背中にかけてこり・痛み

肺の病気

感染症による肺炎は気づかないものもあり、背中が痛んだり違和感を感じたりします。

肺結核や肋膜炎では咳や微熱・だるさが主な症状ですが、最初は背中や肩・肩甲骨周辺がこったりだるかったりすることがあります。

その他の症状

すい臓などの疾患、糖尿病、高血圧、低血圧、かぜ、貧血、更年期障害、乳がん・肺がん・子宮がん・胃がん・前立腺がんなどが首や肩に転移して肩こりが起こることがあります。


このように病気が関係して肩こりが起こっているケースもあるので、変だなあと思ったら整体院やマッサージ店でなく、まず最初に医療機関を受診してください。

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肩こりに応じた当院の施術方法をすべてご覧いただけます。

肩を直接もむマッサージやリラクゼーションだけとは違い、どのように肩こりを改善していくのか参考にしてください。

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